映画「真実」評価レビュー（ネタバレなし）

映画「真実」ネタバレなし感想

映画「真実」はテーマが「母と娘」ということだったので気になって見ました。

母親はフランス映画界の大女優ですが、常に自分の役ことしか考えていないように見えます。

そんな母親に娘は半ば呆れつつも、過去に自分を放置しておいたことの不満を所々口にします。

母娘特有の会話や心情が日常の中にさりげなく、それでいて細かく描かれています。

他の登場人物も個性豊かで特に子役の女の子「クレモンティーヌ・グルニエ」が可愛かったです。

基本的に嫌な人物が出てこず暗すぎるシーンがないので、安心して見ることができます。

映画の中ではいわゆる劇中劇も描かれ、それもまた悲しい母娘をつづった物語です。

私自身も母親との関係に長年悩み続けていた娘の立場だったので、共感できる部分が非常に多かったです。

時には母親の方が子供っぽくなってしまい、娘側が支える役割に回ってしまうという現象は私も経験しました。

それでも娘にとって母親は母親。娘はいくつになっても母親が大好きで愛されたいのです。

母親も普段そういう素振りは見せずとも、心のうちでは娘のことをずっと不器用に愛し続けていたのです。

そんな母娘の姿を重くなりすぎずに、ゆったりとした時間軸の中で描いた今作は私と同じ娘の立場の人にはぜひ見て欲しい一作です。

映画「真実」スタッフ キャスト 声優