映画「ジョーカー」評価レビュー
「なんだか凄いものを観てしまった…」 観終わったあとぐったりしてしばらくぼーっとしてしまう程だった。
バットマンは観たことがないので正直ジョーカーのことは良く知らず、ほぼ事前情報無しで観たが一本の映画として充分楽しめた。
暴力シーンが多いため、バイオレンス系が苦手な自分は何回か目を逸らす場面もあったが、観終わった感想は「美しい映画だった」ということ。
ラストに近いシーンの赤と黄色と緑のジョーカーの衣装の色と、タクシーのボンネットの青と白塗りの顔と緑の髪、色のコントラスト。ラストの真っ白な病院の柔らかな光と穏やかな音楽と。
鬱鬱としたシーンも美しい音楽が絶妙にマッチしていて良かった。
踊るシーンが何度も出てくるが全部それぞれ心情の違いが表されており、とにかく主演のホアキン・フェニックスの素晴らしい演技力に尽きる。
ジョーカーとは、「ジョークを言う人」だ。コメディアンは冗談を言う。泣きながら笑う。笑いながら泣く。
「人生は喜劇だ」と思うことができれば辛いことも悲しいことも許せるのだろうか。
それともアーサーのように破滅に向かっていくのか。
アーサーに共感できてしまう自分は間違っているのか?
なんとも言えない悲しさに襲われ胸が苦しくなった。
それでも、この映画を観て良かったと心から思うし多くの人に観て考えて欲しい一本だ。
映画「ジョーカー」作品情報
映画「ジョーカー」あらすじ
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。
都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。
笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌したのか?
切なくも衝撃の真実が明かされる!