映画「轢き逃げ 最高の最悪な日」 感想

轢き逃げ 最高の最悪な日 映画観た感想

1つの事件を丁寧に丁寧に描いた映画だと思います。他の余計な出来事を一切省き、事件に関わった人達の感情をとにかく緻密に描きます。

 

だから、観てる側の私たちもそこにある事件と向き合わざる得なくなります。

 

ひき逃げを犯す若者の心理と被害者の家族、加害者の家族それぞれに思う過去と未来の形はやはりそれぞれに異なります。

 

逃げる気持ちや後悔の念、目を背けたくなる別れ。

もし自分がこの中の誰かだったら、と思わせるのです。

 

この映画の前半はそれほどに私達を揺さぶってきます。

観てる側の内面すらえぐってくるのです。

 

揺れ動く感情をことごとく見せつけられて、その中に1つのリアリティを見せつけます。

 

檀ふみさん演じる被害者の母親。素晴らしい演技です。

母親の愛の美徳を水谷豊監督は意識したのではないでしょうか。

 

水谷監督が自ら演じた被害者の父親と檀ふみさん演じる母親の愛の表現の違い。

しかし、その愛の内側にある同じ思い。

 

圧巻の演技をされるお二人に若手がしがみつく姿は、1本の映画をみていると同時に映画界を覗いているようにも感じました。

 

人気だけでなく本当に実力のある若手の起用にも水谷監督の心粋を感じます。

映画のクライマックス、思いもよらない事実が明らかになるのですが、サスペンスドラマでありながら、これは揺るぎない愛の物語です。

 

映画「轢き逃げ 最高の最悪な日」クレジット
監督 水谷豊
脚本 水谷豊
製作 島川博篤
遠藤英明
菊池淳夫
西平敦郎
主題歌 手嶌葵
「こころをこめて」
公開 2019年5月10日
上映時間 127分

登場人物 俳優名
宗方 秀一 中山麻聖
森田 輝 石田法嗣
白河 早苗 小林涼子
前田 俊 毎熊克哉
時山 望 さな
白河 謙造 堀田眞三
倉持 信太郎 原康義
倉持 勝 黄川田将也
滝沢 西沢仁太
吉村 美咲 美智子
リサ NON
マコ 太田彩乃
大沼 澄男 HIDEBOH
マスター 山中崇史
時山 光央 水谷豊
時山 千鶴子 檀ふみ
柳 公三郎 岸部一徳